取消訴訟の訴訟要件
行政書士「原告適格」の問題
取消訴訟の原告適格に関する次の記述のうち、行政事件訴訟法および判例の立場として正しいものはどれか。
1処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者であれば原告適格が認められ、この『法律上の利益』には、法律が個別的利益として保護する趣旨を含まない事実上・反射的な利益も広く含まれるものとされる。
2処分の相手方以外の第三者については、当該処分により直接権利を制限される者であっても、いかなる場合であっても処分の取消しを求める原告適格が認められることはないものとされている。
3法律上保護された利益にあたるか否かは、もっぱら処分の根拠法令の文言のみによって形式的に判断され、被侵害利益の内容や性質を考慮する余地はない。
4原告適格は出訴の時点で備わっていれば足り、口頭弁論終結時に処分の取消しによって回復すべき利益が失われていても、訴えは適法に維持される。
5法律上の利益の有無の判断にあたっては、当該処分の根拠法令の趣旨目的のほか、当該法令と目的を共通にする関係法令の趣旨目的をも参酌するものとされる。
正解
5.法律上の利益の有無の判断にあたっては、当該処分の根拠法令の趣旨目的のほか、当該法令と目的を共通にする関係法令の趣旨目的をも参酌するものとされる。
行政事件訴訟法9条2項により、第三者の法律上の利益の有無は、根拠法令の趣旨目的に加え、目的を共通にする関係法令の趣旨目的、被侵害利益の内容・性質等を考慮して判断する。
?選択肢ごとの解説
1 ×事実上・反射的利益を含むとの誤り。法律上の利益は法律上保護された利益をいい、反射的利益にとどまる者には原告適格がない。
2 ×第三者に原告適格が一切認められないとの誤り。判例は周辺住民等の第三者にも法律上保護された利益があれば原告適格を認める。
3 ×文言のみで形式判断との誤り。9条2項は被侵害利益の内容・性質等の実質的考慮を要求しており、文言のみの形式判断ではない。
4 ×訴えの利益が消滅しても訴え維持可との誤り。狭義の訴えの利益(回復すべき利益)が口頭弁論終結時に失われれば訴えは却下される。
5 ○行政事件訴訟法9条2項により、第三者の法律上の利益の有無は、根拠法令の趣旨目的に加え、目的を共通にする関係法令の趣旨目的、被侵害利益の内容・性質等を考慮して判断する。
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