財産権
行政書士|保障および損失補償に関する
財産権の保障および損失補償に関する次の記述のうち、憲法の規定および判例の立場として正しいものはどれか。
1財産権の内容は法律で定めるものとされるが、いったん法律で具体的に定められた財産権の内容を事後に制定される別の法律によって変更し制限することは、それが公共の福祉に適合するか否かを問わず、いかなる場合も許されない。
2財産権は自然権的な絶対不可侵の権利であり、公共の福祉を理由としてその行使に制約を加えることは憲法上およそ許されない。
3正当な補償とは収用の時点における当該財産の客観的市場価格を常に全額補償することを意味し、これを下回る補償を定める法律はすべて違憲である。
4損失補償について個別の法律に補償規定が置かれていない場合、補償を求める余地は一切なく、補償を受けるには立法による手当てを待つほかない。
5私有財産を公共のために用いる場合には正当な補償を要するが、財産権に内在する社会的制約に基づく一般的な規制については補償を要しないのが原則である。
正解
5.私有財産を公共のために用いる場合には正当な補償を要するが、財産権に内在する社会的制約に基づく一般的な規制については補償を要しないのが原則である。
損失補償の要否は『特別の犠牲』にあたるかで判断される。財産権に内在する社会的制約に基づく一般的規制は補償不要で、特定人に特別の犠牲を課す場合に正当な補償を要する。
?選択肢ごとの解説
1 ×財産権の内容を事後に変更できないとの誤り。判例は、変更が公共の福祉に適合し合理的であれば事後の法律による変更も許されるとする。
2 ×財産権が絶対不可侵との誤り。財産権も公共の福祉による制約に服する(憲法29条2項)。
3 ×常に市場価格の全額補償との誤り。判例(農地改革事件)は、正当な補償は合理的に算出された相当な額で足り、必ずしも完全補償に限られないとした。
4 ×補償規定がなければ補償の余地が一切ないとの誤り。判例は、補償規定を欠く場合でも憲法29条3項を直接の根拠として補償請求し得る余地を認めた。
5 ○損失補償の要否は『特別の犠牲』にあたるかで判断される。財産権に内在する社会的制約に基づく一般的規制は補償不要で、特定人に特別の犠牲を課す場合に正当な補償を要する。
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作成・校閲:ukamiru編集部 · 最終更新 2026-08-15 · 行政書士 過去問 · gyosei-kenpo-0007
