司法権
行政書士「違憲審査制」の問題
違憲審査制に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例の立場として正しいものはどれか。
1わが国の違憲審査制は、具体的な争訟の解決とは無関係に、特定の国家機関の提訴に基づいて抽象的に法令そのものの合憲性を審査し一般的に効力を失わせる憲法裁判所型の制度として採用されている。
2最高裁判所は終審裁判所として違憲審査権を独占しており、下級裁判所には法令や処分の違憲審査を行う権限は一切認められていない。
3裁判所は具体的な事件の解決に必要な限度で付随的に法令等の合憲性を審査するものであり、事件を離れて抽象的に違憲審査を行う権限は有しない。
4いわゆる統治行為であっても、高度の政治性を有する国家行為について裁判所は当然に司法審査を及ぼし、その合憲性を判断する義務を負う。
5立法の不作為については、その内容のいかんを問わず、いかなる場合にも国家賠償法上違法と評価される余地はないものとされる。
正解
3.裁判所は具体的な事件の解決に必要な限度で付随的に法令等の合憲性を審査するものであり、事件を離れて抽象的に違憲審査を行う権限は有しない。
警察予備隊違憲訴訟判決は、わが国の違憲審査権は司法権の範囲内で具体的事件に付随して行使されるもので、事件を離れて抽象的に法令の合憲性を判断する権限は有しないとした(付随的審査制)。
?選択肢ごとの解説
1 ×抽象的審査の憲法裁判所型との誤り。判例は付随的審査制を採り、具体的争訟を前提とする。
2 ×下級裁判所に違憲審査権がないとの誤り。違憲審査権は司法権の作用として下級裁判所も行使できる(81条は終審が最高裁の意)。
3 ○警察予備隊違憲訴訟判決は、わが国の違憲審査権は司法権の範囲内で具体的事件に付随して行使されるもので、事件を離れて抽象的に法令の合憲性を判断する権限は有しないとした(付随的審査制)。
4 ×統治行為に当然に司法審査が及ぶとの誤り。判例は高度に政治性ある国家行為について司法審査が及ばない場合(統治行為論)を認める。
5 ×立法不作為が国賠上違法となる余地がないとの誤り。判例は例外的に立法不作為が国家賠償法上違法となる場合を認めている。
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