債権と契約:約束から請求までを追う
民法のうち、債権・契約の基本として、約束から履行・請求へ進む事例の読み方を学ぶ講義です。契約で何を約束したかを先に確定し、履行の状況を時系列で整理し、最後に誰が誰に何を請求するかを分けて考える流れを確認します。択一対策だけでなく、記述式の土台として短く整理して書く視点も扱います。法令の基準日は令和8年4月1日です。細かな制度や受験年度ごとの最新情報は、受験年度の公式情報で確認してください。
動画の視聴は会員向けです要点
- 契約事例はまず約束の内容を確定して読む
- 債権と債務は同じ関係を別の立場から見たものとして整理する
- 履行の有無は時系列で確認する
- 請求関係は誰が誰に何を求めるかで示す
判断のルール
- 約束の内容を先に確定する
- 履行の状況を時系列に置く
- 誰が何を請求するかを分ける
- 細かな法律効果を広げすぎず本講義の範囲で整理する
例題
例題1例題1 約束した物をまだ渡していない場合
AはBに本を1冊渡す約束をし、BはAに代金1000円を払う約束をした。約束の翌日になってもAは本を渡していない。BはAに何を求める関係に立つか。
答えBはAに対し、本を渡すよう求める関係に立つ。
考え方まず約束の内容を確定すると、Aは本を渡す側、Bは代金を払う側である。次に履行状況を見ると、Aはまだ本を渡していない。したがって、Bの立場からは、Aに本を渡すよう求める関係が問題となる。ここでは細かな法律効果を広げず、未履行の約束内容をそのまま押さえることが大切である。
確かめ誰が請求する側かをB、相手方をA、内容を本の引渡しと分けて確認できればよい。
例題2例題2 代金が支払われていない場合
AはBにノート10冊を渡す約束をし、Bは代金2000円を払う約束をした。Aはすでにノート10冊をBに渡したが、Bはまだ代金を払っていない。AはBに対してどのような関係を主張しやすいか。
答えAはBに対し、代金を支払うよう求める関係を主張しやすい。
考え方最初に約束を確認すると、Aは渡す側、Bは代金を払う側である。履行の時系列では、Aは自分の約束をすでに行っている一方、Bはまだ支払っていない。すると現在残っている未履行は、Bの代金支払である。したがって、Aの側から見れば、Bに代金の支払を求める関係として整理するのが基本となる。
確かめ履行済みの部分はAのノート引渡し、未履行の部分はBの代金支払であると区別できたかを確認する。
例題3例題3 記述式の土台として短くまとめる場合
AはBに机を渡す約束をし、BはAに代金5000円を払う約束をした。Aは机を渡したが、Bは代金を払っていない。『AはBに何を請求するか』を40字程度で簡潔に述べるなら、どのようにまとめるか。
答えAは、机を渡した契約に基づき、Bに代金5000円の支払を請求する。
考え方記述式の土台では、結論を先に置き、その前提となる事実を短く添える。結論はAがBに代金支払を求めること、必要な事実は机を渡す約束があり、Aがすでに渡していること、残る未履行はBの支払であることにある。この範囲では、請求の主語、相手方、内容を落とさず、余計な細部を足さないまとめ方が適切である。
確かめ結論、必要な事実、請求内容の三つが入っているか、また長く書きすぎていないかを確認する。
よくある間違い
約束の内容を確定しないまま結論だけを急ぐ
債権と債務を当事者の立場を無視して混同する
履行の前後関係を整理せず事実を並べてしまう
誰が請求するのかを書かず請求内容だけ述べる
この講で覚えること
契約事例はまず約束の内容を確定して読む・債権と債務は同じ関係を別の立場から見たものとして整理する・履行の有無は時系列で確認する
章立て
- 0:00導入
- 0:25中心概念
- 1:14重要用語
- 2:05基本ルール
- 2:37判断手順
- 3:12確認ケース1
- 3:39確認ケース2
- 4:44確認ケース3
- 5:48よくある誤り
- 7:03まとめ
いまの出題範囲では問われない論点
- 契約書の実務作成、個別契約類型の細部、損害額の算定は扱わない。
出題範囲の基準:行政書士・2026年度試験範囲(法令基準日 2026-04-01) 時点のシラバス。
登録は1分・クレジットカード不要。無料のまま練習・暗記カード・模試まで使えます。
