文章理解

行政書士文章理解」の問題

文章理解文章理解難易度:easy
子どもが生まれると、人はまず名前を付ける。新しい町ができれば町名を付け、新種の生物が見つかれば学名を付ける。名付けは人間の最も古い営みの一つであり、私たちはそれをごく当然のこととして行っている。だが、名前を付けるとは、いったい何をすることなのだろうか。 名前は、単なる呼び出しの記号ではない。名前が付くことによって、そのものは周囲の連続した世界から切り出され、一つの独立した存在として扱われるようになる。名も無い草と呼ばれていた路傍の草は、図鑑で名前を知った途端、他の草と見分けの付く「その草」になる。昨日まで見えていなかったものが、名前とともに見えるようになるのである。逆に、名前を持たない経験は、存在しないものと同然に扱われやすい。長く名付けられてこなかった苦しみが、新しい言葉を得た途端に社会問題として認知される例を、私たちはいくつも知っている。名付けは、見過ごされてきたものに輪郭を与える、認識の第一歩なのである。 〔 ア 〕、名付けには危うさもある。名前は切り出すと同時に、固定する。ある人に貼られた分類の名は、その人の他の面を見えにくくする。診断名や肩書きが、本人のすべてであるかのように扱われるとき、名前は理解の入口ではなく出口になってしまう。名付けは世界を見えるようにする力と、見えなくする力とを併せ持つ。名前を使いこなすとは、名前が照らす範囲と、名前が影を落とす範囲の、両方を意識し続けることなのである。名前の便利さに寄りかかるほど、この意識は失われやすい。 本文中の空欄〔 ア 〕に入る語句として妥当なものはどれか。
1他方
2それゆえ
3たとえば
4なぜなら
5つまり
正解
1.他方

名付けの積極面を述べた段落から消極面へ移る対比の位置なので「他方」が入る。

?選択肢ごとの解説

1 ○名付けの積極面を述べた段落から消極面へ移る対比の位置なので「他方」が入る。
2 ×空欄の後は前段の帰結ではなく、反対側の面の提示。
3 ×後続は例示ではなく、新たな論点の導入。
4 ×理由説明の関係は前後にない。
5 ×前段の言い換えではなく、対になる面への移行。

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作成・校閲:ukamiru編集部 · 行政書士 過去問 · gyosei-kiso8-0041

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