文章理解

行政書士文章理解」の問題

文章理解文章理解難易度:hard
常識とは、社会の成員が共有している判断の蓄えである。挨拶の仕方から、行列への並び方、他人との距離の取り方まで、私たちは無数の常識に支えられて暮らしている。いちいち考えなくても振る舞えるのは、常識という自動装置が働いているからであり、その意味で常識は、社会生活の潤滑油である。常識を欠いた行動が非難されるのは、それが装置の共有を裏切り、周囲に余計な摩擦と計算を強いるからである。 しかし、常識には固有の危うさがある。常識の内容は、それが常識であるがゆえに、検討されないという点である。誰もが正しいと思っていることは、正しさを問われる機会を持たない。かつて、身分による差別も、女性が学問から遠ざけられることも、その時代の常識であった。それらが改められたのは、常識の〔 ア 〕を疑う者が現れたからである。常識は多数の経験の沈殿であって、真理の保証ではない。時代が変われば前提が変わり、かつての知恵は今日の偏見になりうる。 〔 イ 〕、常識を疑うことと常識を捨てることは、区別されなければならない。すべての常識を同時に疑えば、社会生活は一歩も進まなくなる。求められるのは、日々は常識に従って軽やかに暮らしながら、その常識が誰かを苦しめていないかを、折に触れて点検する態度である。常識は、従うべき主人ではなく、使いながら手入れを続ける道具である。道具の手入れを怠った社会は、気づかぬうちに、古びた刃で人を傷つけることになる。 本文中の空欄〔 ア 〕・〔 イ 〕に入る語句の組合せとして妥当なものはどれか。
1ア:多様性 イ:ただし
2ア:自明性 イ:なぜなら
3ア:歴史性 イ:つまり
4ア:多様性 イ:それゆえ
5ア:自明性 イ:ただし
正解
5.ア:自明性 イ:ただし

アは「正しさを問われる機会を持たない」当然視を指す自明性、イは疑うことに限定を付ける「ただし」が入る。

?選択肢ごとの解説

1 ×疑われたのは常識が当然とされていること自体であり、多様性ではない。
2 ×イの後は理由説明ではなく、疑うことへの限定の付加。
3 ×時代とともに変わる性質はむしろ疑う根拠であり、疑われる対象の名としてはずれる。イも言い換えではない。
4 ×アが対応せず、イも順接の帰結ではない。
5 ○アは「正しさを問われる機会を持たない」当然視を指す自明性、イは疑うことに限定を付ける「ただし」が入る。

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作成・校閲:ukamiru編集部 · 行政書士 過去問 · gyosei-kiso8-0060

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