行政法総論

行政書士行政行為の撤回の制限」の問題

行政法行政法総論難易度:normal
行政行為の撤回の制限に関する次の記述のうち、判例の立場に照らし最も適切なものはどれか。
1授益的行政行為の撤回には、撤回を認める個別の法律上の明文の根拠が常に必要である。
2公益上の必要が生じた場合には、法律に明文がなくても処分庁は授益的処分を撤回できると解されている。
3撤回は処分時に存在した瑕疵を理由として行われるものであり、処分後に生じた事情の変化を理由とすることはできない。
4撤回はその性質上処分の効力を処分時に遡って消滅させ、法律関係を覆す効果を有する。
5授益的処分の撤回によって相手方に損失が生じても、撤回が公益目的である以上補償は一切問題とならないとされる。
正解
2公益上の必要が生じた場合には、法律に明文がなくても処分庁は授益的処分を撤回できると解されている。

判例(最判昭和63年6月17日・実子あっせん医師指定取消事件)は、授益的行政行為であっても、これを存続させることが公益に適合しない新たな事態が生じた場合には、法令に直接の根拠規定がなくても、処分庁はその裁量により撤回できると判示した。

?選択肢ごとの解説

1 ×撤回に常に個別の法律上の根拠が必要とする誤り。判例は明文の根拠がなくても公益上の必要により撤回を認める。
2 ○判例(最判昭和63年6月17日・実子あっせん医師指定取消事件)は、授益的行政行為であっても、これを存続させることが公益に適合しない新たな事態が生じた場合には、法令に直接の根拠規定がなくても、処分庁はその裁量により撤回できると判示した。
3 ×撤回を原始的瑕疵を理由とするものとする誤り。原始的瑕疵を理由とするのは職権取消しで、撤回は後発的事情による。
4 ×撤回の効果を遡及消滅とする誤り。撤回は将来に向かって効力を消滅させるもので遡及効を持たないのが原則である。
5 ×撤回による損失に補償が一切不要とする誤り。相手方の帰責事由なく権利を奪う場合は損失補償が問題となりうる。
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【行政書士】行政行為の撤回の制限の問題と解答・解説|ukamiru 過去問