文章理解

行政書士文章理解」の問題

文章理解文章理解難易度:hard
環境問題を考えるとき、私たちは一つの奇妙な非対称に直面する。現在の世代が資源を使い尽くし、廃棄物を残せば、その代償を払うのは将来の世代である。ところが、将来の世代は現在の意思決定に参加できない。彼らはまだ存在せず、投票することも、抗議することも、交渉の席に着くこともできないからである。利害の当事者でありながら発言の機会を持たない存在、いわば〔 ア 〕の当事者を、現在の政治制度はうまく扱えないのである。 従来の倫理学も、この問題には不慣れであった。倫理の基本は、向かい合う相手への義務として組み立てられてきた。約束を守る、危害を加えない、困っていれば助ける。いずれも、目の前にいる他者、少なくとも同じ時代を生きる他者を想定している。顔の見えない未来の人々への義務を、どう基礎づければよいのか。彼らは私たちに何かをしてくれることがない以上、義務は一方通行にならざるをえない。互恵性を前提とする道徳の枠組みは、ここで音を立てて軋む。 〔 イ 〕、手がかりがないわけではない。私たちは過去の世代から、自らは何一つ返せないまま、言語や制度や技術を受け取ってきた。世代の連なりとは、そもそも一方通行の贈与の連鎖なのである。受け取った者が、与えた者にではなく、次に来る者に返す。この連鎖の中に自分を置き直すとき、未来への義務は、特別な負担ではなく、受け取ったものの自然な続きとして立ち現れてくる。未来の他者は、顔こそ見えないが、この贈与の連鎖の確かな次の受け手なのである。 本文中の空欄〔 ア 〕・〔 イ 〕に入る語句の組合せとして妥当なものはどれか。
1ア:無知 イ:とはいえ
2ア:不在 イ:とはいえ
3ア:不在 イ:ゆえに
4ア:多数 イ:ところで
5ア:無知 イ:それどころか
正解
2.ア:不在 イ:とはいえ

アは「まだ存在せず」「発言の機会を持たない」の要約で不在、イは行き詰まりを認めつつ活路へ転じる「とはいえ」が入る。

?選択肢ごとの解説

1 ×将来世代の問題は知識の欠如ではなく、その場にいないこと。
2 ○アは「まだ存在せず」「発言の機会を持たない」の要約で不在、イは行き詰まりを認めつつ活路へ転じる「とはいえ」が入る。
3 ×イの前は行き詰まり、後は希望の提示であり、順接ではつながらない。
4 ×人数の多さは論点でなく、イも話題転換では前段の軋みが宙に浮く。
5 ×アが対応せず、イも前言の強化ではなく反転の接続が必要。

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作成・校閲:ukamiru編集部 · 行政書士 過去問 · gyosei-kiso8-0027

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