文章理解
行政書士「文章理解」の問題
笑いは、緊張を解きほぐし、人と人の垣根を低くする。初対面の場で交わされる冗談は、警戒を解く合図であり、共に笑った経験は、共に食事をした経験と同じように、関係を一歩近づける。笑いを共有できるということは、何を可笑しいと感じるかの感覚、その手前にある物の見方を共有しているということだからである。
しかし、まさにこの性質のゆえに、笑いには影がある。共に笑う輪が作られるとき、その輪の外が同時に作られる。内輪の冗談は、事情を知る者たちの結束を強めるが、知らない者を置き去りにする。さらに、誰かを笑いものにする笑いは、笑う者たちの一体感を、笑われる者の犠牲の上に築く。教室や職場で、からかいの標的にされた者の周りで起きる笑いを思い浮かべればよい。あの笑い声は、緊張を解くどころか、標的とそれ以外との間に見えない線を引き、線のこちら側の連帯を確認する儀式として働いている。笑いは人を結びつけるが、その結びつきはしばしば〔 ア 〕を必要とするのである。
〔 イ 〕、笑いそのものを警戒すべきだという結論は行き過ぎだろう。問うべきは、笑いが誰を犠牲にして成り立っているか、である。権力を持つ者を下から突く笑いと、弱い立場の者を上から嘲る笑いとは、同じ笑いという名で呼ばれていても、社会的な働きは正反対である。何を笑うかは、その人が、そしてその社会が、何を許し何を許さないかの表明にほかならない。笑いは無邪気な生理現象ではなく、すぐれて倫理的な行為なのである。
本文中の空欄〔 ア 〕・〔 イ 〕に入る語句の組合せとして妥当なものはどれか。
1ア:外部 イ:もっとも
2ア:勇気 イ:もっとも
3ア:外部 イ:したがって
4ア:練習 イ:しかし
5ア:勇気 イ:ゆえに
正解
1.ア:外部 イ:もっとも
アは「輪の外」「笑われる者の犠牲」を要約する外部、イは笑い批判の行き過ぎを抑える「もっとも」が入る。
?選択肢ごとの解説
1 ○アは「輪の外」「笑われる者の犠牲」を要約する外部、イは笑い批判の行き過ぎを抑える「もっとも」が入る。
2 ×輪の外を作るという段落の論旨と対応しない。
3 ×イの後は前段の帰結ではなく、警戒論への行き過ぎを抑える留保。
4 ×アは輪の外側・犠牲を指す語でなければならず、練習は無関係。
5 ×アが対応せず、イも順接ではない。
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作成・校閲:ukamiru編集部 · 行政書士 過去問 · gyosei-kiso8-0056
