文章理解
行政書士「文章理解」の問題
規則は自由の敵である、と素朴には考えられている。あれをするな、これをせよと命じる規則が増えるほど、私たちの自由は削られていく。規則のない状態こそが完全な自由である、と。この見方からすれば、自由を愛する者は規則を減らすことを目指すはずである。
しかし、規則が消えた世界を想像してみると、話は様子を変える。交通規則が一切ない道路では、誰もが自分の判断だけで走ることになる。そこで得られるのは自由な移動ではなく、いつ衝突するか分からない麻痺状態である。約束を破っても何の咎めもない社会では、そもそも約束という行為が成り立たず、将来の計画を伴う活動はすべて不可能になる。規則の不在は自由を最大にするのではなく、互いへの予測を失わせることで、行動の可能性そのものを痩せさせるのである。
〔 ア 〕、規則は自由の敵であるどころか、自由の条件だということになる。規則が互いの行動を予測可能にするからこそ、人は安心して計画を立て、見知らぬ相手と取引し、遠くまで移動できる。スポーツの規則が競技の自由な展開を可能にするように、規則は行動を縛ることを通じて、より大きな行動の空間を開く。
〔 イ 〕、このことはあらゆる規則の正当化にはならない。自由の条件となる規則と、単に自由を奪うだけの規則とがあるからである。その見分けの基準は、規則が万人に等しく適用され、皆の行動の予測可能性を高めているか、それとも一部の者の都合を守るために他の者を縛っているか、に求められよう。規則を疑うことと規則を守ることは、矛盾しない。よい規則を見分ける目こそ、自由な社会の市民の資質である。
本文中の空欄〔 ア 〕・〔 イ 〕に入る語句の組合せとして妥当なものはどれか。
1ア:それにもかかわらず イ:ただし
2ア:だとすれば イ:ただし
3ア:だとすれば イ:それゆえ
4ア:たとえば イ:しかし
5ア:ところで イ:さらに
正解
2.ア:だとすれば イ:ただし
アは思考実験の結果から「規則=自由の条件」という帰結を導く「だとすれば」、イはその主張の適用範囲を限定する「ただし」が入る。
?選択肢ごとの解説
1 ×アの前後は対立ではなく、思考実験から帰結を導く関係。
2 ○アは思考実験の結果から「規則=自由の条件」という帰結を導く「だとすれば」、イはその主張の適用範囲を限定する「ただし」が入る。
3 ×イの後は帰結ではなく、規則全面肯定への歯止めという留保。
4 ×アの後は例示ではなく結論の提示であり、イも強い逆接ではなく限定。
5 ×アは話題転換ではなく論理的帰結、イも追加ではない。
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作成・校閲:ukamiru編集部 · 行政書士 過去問 · gyosei-kiso8-0057
