文章理解

行政書士文章理解」の問題

文章理解文章理解難易度:normal
私たちは、言語を思考の単なる伝達手段だと考えがちである。頭の中にまず完成した思考があり、それを言葉という容器に入れて相手に運ぶ、という素朴な図式である。しかし、言語学や哲学の知見は、この図式に繰り返し疑問を投げかけてきた。言葉は出来上がった思考を包む包装紙ではなく、思考そのものを形づくる型枠でもあるからだ。 たとえば、虹の色の数は文化によって異なることが知られている。日本語では七色とされるが、言語によっては五色、あるいは三色と数える。虹そのものは連続的な光のスペクトルであり、物理的にはどこにも切れ目はない。切れ目を入れているのは、私たちの言語のほうである。言語は連続する世界を〔 ア 〕することによって、はじめて把握可能なものにするのである。色の名前だけではない。感情の名前も、時間の区切りも、身分や役割の呼び名も、すべて同じ働きの産物である。 このことは、語彙が乏しければ世界の見え方も貧しくなる、という単純な優劣の話ではない。〔 イ 〕、重要なのは、自らの言語が世界に引いた切れ目を、唯一絶対のものと思い込まないことである。外国語を学ぶ意義の一つは、別の切れ目の入れ方に触れることで、自分の言語の切れ目を相対化できる点にある。母語の内側にいる限り見えなかった前提が、外側の視点を得てはじめて姿を現す。言語は世界を映す鏡である以上に、世界を切り分ける刃なのだ。その刃の癖を知る者だけが、刃に振り回されずにものを考えることができる。 本文中の空欄〔 ア 〕・〔 イ 〕に入る語句の組合せとして妥当なものはどれか。
1ア:分節 イ:むしろ
2ア:統合 イ:むしろ
3ア:分節 イ:なのに
4ア:模倣 イ:ゆえに
5ア:統合 イ:しかも
正解
1.ア:分節 イ:むしろ

アは「切れ目を入れる」の言い換えで分節、イは前文の否定を受けて主張を立て直す「むしろ」が入る。

?選択肢ごとの解説

1 ○アは「切れ目を入れる」の言い換えで分節、イは前文の否定を受けて主張を立て直す「むしろ」が入る。
2 ×アの前後は連続体に切れ目を入れる話であり、統合は逆方向。
3 ×イは否定を受けて論点を捉え直す「むしろ」が入る。逆接の「なのに」は不適。
4 ×言語が世界を写し取るという鏡の比喩は本文が退けている図式であり、イも因果関係ではない。
5 ×アが逆方向である上、イの前後は添加ではなく転換の関係。

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作成・校閲:ukamiru編集部 · 行政書士 過去問 · gyosei-kiso8-0021

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