文章理解

行政書士文章理解」の問題

文章理解文章理解難易度:easy
検索すれば何でも分かる時代に、知識を暗記させる教育は無意味になった。こうした主張を耳にする機会が増えた。教育の目的は知識の伝達ではなく、自ら考える力、とりわけ問いを立てる力の育成に移るべきだ、と。この方向づけ自体に異論はない。与えられた問いに答える能力よりも、まだ誰も問うていないことを問う能力のほうが、変化の速い社会では確かに重要性を増している。 しかし、そこから「知識はもう要らない」と結論するのは早計である。問いは真空から生まれない。よい問いを立てる人は、その領域について多くを知っているからこそ、既知と未知の境界線がどこを走っているかを見て取ることができる。何が分かっていて何が分かっていないかを知らなければ、立てられる問いは、とうに答えの出ている疑問の反復か、手がかりを欠いた空想にとどまる。実りある問いは、分かっているつもりの領域に小さな亀裂を見つけるところから生まれる。そして、その亀裂に気づくためには、領域全体の地形をあらかじめ知っていなければならないのである。知識は問いの敵ではなく、問いが芽を出すための土壌なのである。 検索が変えたのは、知識の価値ではなく、知識の在り処である。事実の断片を頭に置いておくことの意味は薄れたかもしれない。だが、断片を関連づけ、全体の見取り図として身につけた知識は、検索では代替できない。見取り図を持つ者だけが、検索結果の確からしさを見積もり、探すべき言葉を思いつき、得られた答えの意味を測ることができるからである。同じ検索窓を前にしても、見取り図の有無によって、引き出せる答えの質は大きく違ってくる。調べる力の差は、その手前にある知識の差の現れである。 したがって教育の課題は、知識の伝達か思考力の育成かという二者択一ではない。問いを立てる力を目標に据えたうえで、その土壌となる知識の体系をどう組み立てさせるかを考えることである。暗記か思考かという古い対立の図式こそ、まず手放されるべきだろう。 本文の内容に合致するものはどれか。
1検索で何でも調べられる現代では、知識を身につけること自体がもはや教育の目標にはなり得ない。
2問いを立てる力は生まれつきの資質によって決まっており、教育によって育てることはできないとされる。
3事実の断片を数多く暗記すればするほど、それに比例してよい問いが生まれると筆者は述べている。
4知識の伝達こそが教育の唯一の目的であり、思考力の育成を目標に掲げる近年の議論は誤りだと筆者は断じる。
5問いを立てる力の育成は重要だが、それは体系づけられた知識という土壌があってはじめて可能になる。
正解
5.問いを立てる力の育成は重要だが、それは体系づけられた知識という土壌があってはじめて可能になる。

第二段落の「知識は問いの土壌」と第四段落の二者択一の否定を、正解肢が過不足なく言い換えているため。

?選択肢ごとの解説

1 ×知識は問いの土壌だとする本文の主張に反する。
2 ×本文は問いを立てる力の育成を教育課題としている。
3 ×断片の量でなく体系化が要点であり比例関係はない。
4 ×本文は思考力重視の方向に賛成しており逆である。
5 ○第二段落の「知識は問いの土壌」と第四段落の二者択一の否定を、正解肢が過不足なく言い換えているため。

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作成・校閲:ukamiru編集部 · 行政書士 過去問 · gyosei-kiso8-0005

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